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従業員がインフルエンザにかかったら…負担やデメリットは?

例年、インフルエンザは冬季を中心に感染拡大するため、事前の予防対策が欠かせません。もし、インフルエンザにかかってしまったらどれくらい会社を休まなければいけない?どんな負担があるの?この記事では、従業員がインフルエンザにかかった場合の社内の負担やデメリットについて考えていきます。

インフルエンザにかかったら…

インフルエンザは例年10~2月頃に感染拡大し、猛威を振るいます。ちなみに子どもの場合、学校保健安全法により、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」出席停止となります。発症した日から数えると6日間の出席停止になるわけです。なお、出席停止の期間は周囲が感染するリスクのある期間であり、集団感染を起こす可能性があるため出席停止期間が決められています。

一方で会社勤務の社会人については、子どものようにインフルエンザに関する法定な基準はありません。ただ、医学的には、インフルエンザの発症前日から発症後3~7日は外出を控えることが望ましいとされています。また、先に挙げた学校保健安全法にならい、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱後2日を経過」するまで出勤停止と定める会社も多くあります。
そのため、もし従業員がインフルエンザに感染した場合、最低でも発症後5日間は出勤できず、解熱するのが遅ければそれ以上会社を休まなければならなくなるのです。

 

社内ではどれくらいの業務負担になるの?

1人の従業員がインフルエンザに感染した場合、最短で考えて発症後3日間休むとすると、単純計算して8時間×3日=24時間の業務が滞ることになります。その従業員が出社後に自分で対応できる業務もあるでしょうが、リアルタイムでの対応が必要になる業務などは、他の社員に分担されることになります。

接客業や営業職など、出勤後に自分で対応できることが少ないような職種の場合、周りにかかる負担は相当なものになってしまいます。インフルエンザに感染してしまった本人も、高熱などでつらいながらも、同僚・先輩などに負担をかけてしまうことへの罪悪感を抱えてしまうでしょう。

社員がインフルエンザにかかることによるデメリット

上記で挙げたように、周りにかかる業務負荷をはじめ、従業員がインフルエンザに感染することで以下のようなデメリットが考えられます。

・他の従業員の仕事スケジュールが変わってきてしまう
インフルエンザに感染した従業員に変わって、やらなければならない仕事を他の従業員がカバーすることになります。そうなると、その従業員が本来やらなければならなかったことが後回しになってしまったり、また別の従業員にしわよせがいったり、社内で混乱が起きてしまいます。他の従業員の本来のスケジュールが変わってきてしまうことで、さまざまな支障が出てしまうのです。
また、すでに有給休暇を取得する予定だった日に他の従業員がインフルエンザによって欠勤してしまった場合、社内の状況によっては有給休暇を返上して出勤しなければならなくなる可能性もあります。

・社外の関係者やお客様にも迷惑がかかる可能性がある
インフルエンザに感染した従業員が社外の関係者やお客様とアポイントをとっていた場合、お相手のスケジュールも変わってきてしまいます。そのスケジュールが緊急の打ち合わせだったり、お客様以外の関係者など複数の方を含めた商談だったりした場合、大きな営業チャンスを逃してしまう可能性もあるでしょう。社内だけでなく、自分に関わる多くの人に迷惑をかけてしまうかもしれないのです。

・発熱がない状態で出勤していた際に、すでに周りに感染拡大させているかも
また、発熱する前日など、潜伏期間中に出勤してしまっている可能性もあります。インフルエンザは症状が出るまで1~3日間ほどの潜伏期間があります。もし、発熱直前などにお客様などにお会いしていた場合、お相手に感染させてしまうリスクも潜んでいるのです。それが社内の従業員、社外の関係者やお客様の可能性もあります。もしお相手のお客様がインフルエンザに感染された場合、またその社内で感染者が出る可能性もあり、数珠つなぎのように感染が広がっていくリスクをはらんでいるのです。

・家族にも感染する恐れがある
インフルエンザは、日々同じ家で暮らす家族にも感染する可能性が高いです。もしも子どもがインフルエンザに感染したら、先述した学校保健安全法に則って欠席しなければなりません。そうなると、場合によっては、母親もしくは父親が有給を取得するなどして家庭で子どもを見ていなくてはならなくなります。

また、たとえ従業員の方が出勤できたとしても、家族の看病によって従業員ご自身に疲れがたまり、睡眠不足による仕事のミスやパフォーマンス低下などにもつながってしまうでしょう。

家族全員がインフルエンザによって休まなければならなくなり、家庭内でも大きな混乱が生じてしまいます。

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